冬山登山での手袋について 選び方のポイント
今回は雪山での手袋について解説していきます。
手の指は凍傷になるリスクが高い部位です。手の指は血液を送り出す心臓から遠く、太い血管も通っていないため体温がすぐに下がります。
その指を寒さから守る手袋にこだわる事は、凍傷を防ぐ上で大切だと言えます。
冬山用の手袋と言っても種類は様々です。
購入するときに私が気にしているポイントを紹介していきます。
乾きやすさ
雪山において手袋の乾きやすさは非常に重要です。
手にかいた汗を手袋が吸い、湿気を帯びてきます。濡れた手袋での行動は、汗冷えから凍傷になるリスクを高めます。
気温が氷点下になる雪山において、衣類を乾かす手段は「着ている」か「バーナーで乾かす」かしかありません。
手汗程度と思うかもしれませんが、長期間乾かさないと凍傷の原因となり非常に危険です。
保温性
風のない樹林帯で使用するのか、稜線歩きで使用するのかによって必要な手袋は変わります。
強風の吹く稜線で薄手の手袋を使用した場合、凍傷になるリスクは高まるでしょう。
逆に比較的暖かい樹林帯で厚手の手袋を使用した場合も、汗のかき過ぎによる、汗冷えからの凍傷という可能性があります。
一体型か分離型か
手袋を選ぶ際に、まず考えたいのがインナーとアウターの取り外し可否です。
保温性能を持ったインナーグローブと、防水性能を持ったアウターグローブが取り外し可能な物かどうか、チェックしましょう。
一体型グローブ
メリットは操作性の良さや、着脱のしやすさです。
イマイチな点は、手袋を乾かす際の乾きづらさです。(防水のアウターが付随しており乾きにくい)
分離型グローブ
1番のメリットは乾かしやすさです。
また、インナーグローブを薄手の物に変えたりする事で、寒い時・暑い時のどちらにも対応可能です。
(樹林帯はラッセルになる事が多く、長袖Tシャツ1枚で行動できそうなくらい暑くなることもある。)
デメリットは操作性の悪さや着脱のしづらさでしょう。
どうしてもインナー・アウターのズレが生じ、細かい作業などの時には不便に感じる事もあります。
一体型 | 分離型 | |
インナーとアウターの取り外し | できない | 可能 |
操作性 | 良い | インナー・アウターの相性による |
寒暖差への対応 | 出来ない | 可能 |
着脱のしやすさ | 良い | あまり良くない |
乾かしやすさ | 乾かしにくい | 乾かしやすい |
5本指タイプとミトンタイプ
親指以外の部位が一体になっているミトン型は保温性の面では抜群の性能を発揮します。
操作性はやや落ちるため、5本指のメイン手袋と組み合わせて使う事をおすすめします。
保温素材入りの5本指グローブ+ペラペラのミトン、の組み合わせがおすすめです。
ミトン型のみ持っていった場合、どうしても使いづらい場面が出てきてしまいます。
素材
おおまかには皮が使われているか、布の素材のみなのかを気にしましょう。それぞれ一長一短あります。
皮はグリップ力は抜群ですが、湿った場合など乾きづらいです。また、凍ってしまうため皮の部分が固くなり、操作性も落ちてしまいます。
繊維の場合は逆で、グリップ力はイマイチですが、乾きやすさは抜群です。
オススメの手袋
McKINLEY(マッキンレー) インナーグローブ IG ネイビー
インナーグローブとして重宝しています。薄く、乾きやすく、携行しやすいです。
雪山に行く際はこの手袋を2組持っていきます。また、指先の出たタイプをテントでの作業用(調理など)のためにも持っていきます。
滑り止めのないタイプを選びましょう。
最後に
手袋の選び方において、濡れへの対策や、使う場面に合わせた保温力の選択が重要と言えます。
プラスアルファで操作性を考慮した素材選びや、細かいアクセサリの有無を考慮すると良いでしょう。
手袋選びは難しいですが、色々と考えて山で試すのは楽しいです。
自分流の手袋システムを考えて山で試してみましょう!