そろそろ冬山にもチャレンジしてみよう!、そんな時に悩むのがどんな装備で行けば良いかではないでしょうか。
特にアイゼンやピッケルは冬山特有の装備、どんな基準で選べば良いのか分からない方も多いと思います。
今回は、「アイゼン」について、そのタイプや特徴、選び方を解説していきます。
アイゼンの使用方法解説
細かい解説は別の記事にて行いますが、
アイゼンの主な使い方は「足の裏で歩く」か、「つま先で歩く」かの2通りに分けられます。
平らな氷の上などは足裏のフリクションが重要です。
斜度が増してくると、つま先の爪を雪や氷に差し込んで登るため、前爪の長さや形状が重要になってきます。
基本的な歩き方はこの2パターン、どのアイゼンが、どのパターンを得意としているのか解説していきます。
「爪の長さ」と「固定方法」の違い
アイゼンを選ぶ際に重要となってくるのが、爪の長さと靴への装着方法の違いです。
●爪の長さ
長い方がフリクションが大きいです。
一方で舗装道など、雪や氷のない部分では非常に歩きづらくなってきます。
雪がたくさん積もっていない場所、氷が薄い場所などを歩く場合は短い爪の方が歩きやすいでしょう。
●靴への装着方法
以下の順番で靴との一体感は高く、外れづらいです。
種類 | 固定方法 | 緩むかどうか | 登山靴との相性 |
ワンタッチアイゼン | 金具での固定 | 殆ど緩まない | 装着できる靴でないと使用できない |
セミワンタッチアイゼン | 金具とベルトでの固定 | 緩むこともある | 装着できる靴でないと使用できない |
ベルト式 | ベルトでの固定 | 緩みやすい | どんな靴でも装着可能 |
ただ歩くだの場合、緩んだり外れたりすることは稀ですが、
雪山では固い氷にアイゼンの前爪を思い切り蹴り込みます。(本当に思い切りです!)
そういった時、外れやすいアイゼンの場合は問題となります。
また、岩などの固い場所を歩く時にも、しっかりと固定されていないとずれる事があります。
大まかなアイゼンの分類
アイゼンは使うシーンや用途によって沢山のタイプが存在しています。
大まかに分類すると以下の5種類、各々の使用シーンもしっかりと把握しておきましょう。
雪や氷のない林道や登山道で歩きやすく、雪・平地に張った氷はあれば問題ありません。
ピッケルを必要としない山であれば、最もおすすめです。
靴との一体感がないとは書いていますが、歩いていてズレる程ではなく、コンパクトに収納できるため携行が容易です。
爪の長さ | 足裏フリクション | 前爪歩行 | 靴との固定 |
短い | 中 | 出来ない | 外れる可能性あり(大) |
雪や氷のない林道は歩きづらいです。
多少荒く扱っても外れないため、緩やかな斜面に張った氷程度であれば問題ないでしょう。
個人的には、このモデルを買うのであればワンタッチ系のアイゼンを買いますが、靴との相性もあり、お財布と相談でしょうか。
爪の長さ | 足裏フリクション | 前爪歩行 | 靴との固定 |
短め | 大 | 可能 | ベルトが緩む事が頻繁にある |
踵の部分のみ金具で固定するタイプです。つま先が金具でないため“セミ”ワンタッチと呼びます。
雪や氷のない林道は歩きづらいです。雪の斜面・氷の斜面と問題ありません。
爪の長さ | 足裏フリクション | 前爪歩行 | 靴との固定 |
長い | 大 | 可能 | 外れる可能性あり(小) |
つま先・踵を金具で固定するタイプです。
装着するには登山靴にコバという部位が存在する必要があります。
特殊な装着方法なだけ有り、1度付ければ殆ど外れることは無いと言っていいでしょう。
雪や氷のない林道は歩きづらいです。雪の斜面・氷の斜面と問題ありません。
岩などに前爪のみを引っ掛け、よじ登ったりすることも可能です。
爪の長さ | 足裏フリクション | 前爪歩行 | 靴との固定 |
長い | 大 | 可能 | 外れる可能性ほぼなし |
つま先・踵を金具で固定するタイプです。
装着するには登山靴にコバという部位が存在する必要があります。
前爪の形状が特徴的で、氷の壁を登るために利用します。
爪の長さ | 足裏フリクション | 前爪歩行 | 靴との固定 |
長い | 大 | 可能 | 外れる可能性ほぼなし |
最後に
今回はアイゼンを選ぶ際のポイントを紹介しました。
行く山のコンディションを以下の観点などがら考察し、必要なアイゼンを考えましょう。
- 平坦な山か、急峻な山か
- 雪だけでなく、岩場などを歩くかどうか
- 氷の斜面を歩くのかどうか
不適切なアイゼンで登るのは非常に危険です。
またアイゼンはスペックが上がると収納時のサイズが意外と大きくなります。
目的の山にあったアイゼンを購入し、快適な登山を楽しみましょう。