今回は気軽に行けるアイスアルパインのルートを紹介します。
南八ヶ岳の中でも数多くのクライミングルートを持つ阿弥陀岳、その西側にある谷(ルンゼ)をつめる良ルート「広河原3ルンゼ」です。
登山口から日帰りで抜けられる本ルートは、アイスクライミングとしての難しさは殆どありません。
しかし、滝を攀じ登り、更に稜線まで抜ける事の出来るコースであり、山の楽しさや美しさを味わい尽くせる良ルートと言えるでしょう。
時間に余裕を持って登ればそのまま阿弥陀岳の山頂を踏む事も可能です。
戸台より転身し広河原3ルンゼへ
もともとは戸台にてアイスクライミングを予定していた私達だったが、週末の天気は3連休の真ん中が悪天予報。
2泊3日の予定を変更して日帰りで楽しめるエリアを探し、広河原3ルンゼを登る事になった。
本ルートはアイスクライミングとしては簡単だし、滝と滝の感覚も長く歩く距離も長い。
その分、山に入っていく感覚というか、「山登り」という感じの雰囲気を楽しめる。
阿弥陀岳の山頂まで抜けても日帰り出来る所もおすすめのポイントだろう。
船山十字路からF1まで
金曜の夜に車を走らせ、船山十字路に24時着。
翌朝は6時に出発なので、身支度をしてすぐに就寝した。
相変わらず朝は寝坊したが6時半頃には出発し、1つ目の凍った滝には8時半頃に到着した。
この滝は簡単でロープを出さずに抜ける。
氷は硬いが快適なクライミングだ。
沢を詰め3段30メートルの大滝へ
滝と滝の感覚は長く、歩きが多い印象の本ルート。
アルパインらしいが、アイスクライミング目的だと物足りないかもしれない。
リード練習中のため少し立っている小滝なんかでもロープを出して登った。
2時間ほど沢を詰めると本ルートのメインと言ってもいい、3段30メートルの大滝に当たる。
この大滝も簡単で、フリーで抜けても問題なさそうだ。落ちることはなさそうだが、念のためロープを出して登る。
最後の難関10メートルの滝
30m大滝を抜けた先は沢が二股に分かれる。
左は簡単なルンゼを抜けるだけだが、右には10mの滝がかかっている。この滝は上部が垂直になっており、なかなか登りごたえがある。
この滝にリードで挑戦したが、なかなかスクリューが決まらず難しい。
何とか抜ける事が出来たが、まだまだ練習が足りないようだった。
源頭部を詰め稜線へ
10mの滝を超えるとそれ以降は雪原の歩きとなる。
特に難しいところもなく、阿弥陀岳南稜に出る。山を登り、景色が開けるこの感覚が味わえるかどうか、それが大切だと思う。