昨年いけなかった滑滝沢に行ってきました。
息子が生まれた私は最近まったく山に行けておらず、なかなか大変な山行になるはずの滑滝沢に行き、無事に帰ってこられるか少し不安でした。
なんとか無事帰ってくることができましたが、自分の体力不足を痛感した山行となりました。
一緒に登ってくれた師匠のK氏には感謝です。ヘロヘロの私を引っ張って行ってくれたので、この山行を完遂することができました。
1日目 滑滝沢基部までアプローチ
朝の8時に日向山の登山道に到着、歩き始めると今回目指す甲斐駒ヶ岳が見えてきます。
初日の天気はいまいち、雲の合間から山頂がかすかに見えますが見るからに厳しそう…。
今回の山行計画をたててから1か月ほど、山に全く行けていなかった私は中々に焦っていました。
冬山といえば体力勝負。まったく山を歩いていない自分が最後まで行けるのか?
とはいえ、雪の少ない12月です。2月や3月の冬山にくらべたらラッセルも少ないはずです。最近は雪もあまり積もらないことが多いし、力を絞り出せば歩ききれるだろうと考えて出発しました。
日向山の林道を最後まで詰め、そこから沢底までトラバースをします。
私の計画では黒戸尾根から黄連谷まで下降、その後尾白川に入り遡行していくつもりでいました。
パートナーのK氏の提案からアプローチのルートは変更しました。日向山登山道から尾白川を遡行、途中の尾根を登って坊主岩の基部近くまでアプローチすることに。
尾白川はまだまだ凍っておらず、一歩間違えば水の中。
薄い氷の上を恐る恐る歩いたり、岩の上を飛んで渡ったりします。
冬山での靴の濡れは致命傷、濡れればそこで登山終了です。なかなかにハラハラした行程です。
尾白川からいったん離れ尾根を登ります。鞍部からトラバースし谷を一気に降ると、再度尾白川にたどり着きます。
河が凍っていることを願いましたがイマイチ!
また恐る恐る進みます。少し進むと目印となる坊主岩が左手に見えてきます。
あの壁を少し通り過ぎたあたりに今回の目標でもある滑滝沢があります。寒々しい空と色のなくなってきた山に少し緊張。
また、このあたりから私の足に異変が…。歩荷トレーニング不足による物か、冷えによる物か、10歩ほど歩くと太ももに痛みが。少し休めば良くなるため休み休み進みます。
パートナーのK氏は心配して分担していた共同装備のロープを担いでくれました。感謝。
16時ちょうどくらいに本日の目標地点、滑滝沢の基部に到着。テントを張って今夜の宿とします。
2日目 滑滝沢の登攀
翌日は朝の7時から滑滝沢でのクライミング、標高差300m以上の氷の滑り台です。傾斜はそこまでないのですが、我々の計画ではそのまま稜線まで抜ける予定。
テントなども担いだアイスクライミングとなるため、ここも体力が重要です。
昨日の私の体調もあり、K氏と2日目の行程について相談しましたが、山行を継続することに。
朝一のクライミングですが、前日のように痛みも出ずに登攀ができた。1ピッチ目と2ピッチ目は私がリード、スピードも重要なため同時登攀も交えながら氷の弱点を突いて登ります。
樹林帯を交えながら3~5ピッチをこなし、2段目の150メートルの滝へ。
右側が弱点のようにも見えましたが、左側の氷が厚い部分をK氏が登ります。途中、ハンギングになりながら荷上げ、フォローで私も登りますが中々に堪えるピッチでした。
7ピッチ以降は疲れもあり滝の弱点を突いた登攀。12時頃には登攀が終了、落ち着いた谷間で水分補給と行動食を食べる。今回も魚肉ソーセージ、柿ピー、カロリーメイト、もう飽きた…。
ここからは樹林帯のラッセル、そして稜線まで出て宿泊地までの下降が待っています。技術的には難しい部分は過ぎました、しかしここからは体力勝負!
そして、申し訳ないことに私の体力はヘロヘロパー!パートナーには大変に申し訳なかったですが、ずっとラッセルしてもらってしまいました!!すいません!!
体力は限界、3歩歩くごとに休憩するような状態に…。苦しい登りを耐え、16時頃に稜線に到達。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳が一望できる最高の景色が待っていました。
疲れも忘れて一時眺めます。しかし、時間も時間です。早歩きで本日の宿まで尾根を下ります。
少し歩いて本日の宿である岩室まで到着。日暮れギリギリの工程となりましたが、なんとか到達することができました。
ひと段落する頃には日が落ちて夜景も見えていました。今回は3日間とも天気がよさそうです。
3日目 下山
最終日は下山のみ、とはいえ下山ルートは日向八丁尾根です。長い尾根ですし、途中には大岩山の登りも待っています。朝の7時には出発しました。
烏帽子の参照からは昨日登った滑滝沢と甲斐駒ヶ岳が見えます。
左下の白い塊の部分が滑滝沢ですが、よくあれを登ったものだと我ながら感心してしまします。長い良いルートでした。傾斜はないですけどね。
雪の下りから、大岩山の登り、長い尾根の歩きとバリエーションに富んだ下山も楽しいルートです。
最後は日向山の登り、3日間の疲れがたまった体には堪えます。
滑り落ちる砂に耐えながら少しづつ登り山頂に、日向八丁尾根を全て歩き、今回の参考は終わりました。